鈎、がまかつとオーナーと。

好みだけどね

バス狂いしてた頃、金のない若者には当時値段が安く、その割に品質が良いとされていたオーナー鈎は、定番の1つだった。ところが、である。80年代から90年代、当時はバスもよく釣れて、一日何本もかけられる。今のように1日中やって数本、なんてことはなく、ハマれば入れ食いもよくあった。なので、釣り方や道具を比べてみることが容易だった気がする。

夏は日の出前に釣り場に到着し、まずめを迎えると、決まってトップウォーターで遊ぶ。琵琶湖ならビッグペンシル、マッディな霞水系ではバズやポッパーが効いた(オイラの場合)。トップウォーターではフッキングが甘くなりがちで、鈎の貫通力や強度はとても大事。特にバズやスピナーベイトトップウォータープラグはショートバイトが多い。そんな時、オーナー鈎は当時、フックポイントが甘かった気がする。ガバッと出ても、フッキングしない魚が多く、また、ギリでかけたときには良く伸びた気がする。で、値段高めのがまかつの時は刺さりが違う(気がする)のと、掛けて延ばしたことが無い。シングルでもトレブルでも、同じ印象だ。どうも、人づてに聞くと、がまかつは伸びずに限界に達すると折れる、という。残念ながら、折れるほどの魚をかけたことが無い。が、伸びてフックオフなら良くある。いつの間にか、折れるほどの魚掛けたなら本望、などと思っている。延びるより折れろ、と。以来、針はがまかつがほとんどだ。

 

元々は

この2大鈎メーカー、確か兄弟会社かなんかで、兵庫県の狭い街の小さな釣具メーカーだったはず。当然、街中に鈎のOEMやってる町工場が多く、メーカーの違う鈎を同じ工場で作ってたりしたはずなので、↑の印象なんてあてにならないのかもしれない。でも縁起担ぎと言うか、一度心にこのメーカー、と刷り込まれると、抜け出せないもの。最近は海釣りしかしないけど、やっぱりがまかつを信じてしまう。鈎の自重で爪に引っかかって落ちないしね。バス釣りやってる時から、触れば貫通するほど鈎先のポイントは研げ、と言われてきた。草スキーをやっていたオイラは、アイスバーンを一滑りするごとにスキーのエッジをファイルで研ぐ感覚で、何投かすると針先を研ぐのがカッコよく思え、やっていた。がまかつだけは、研いでも元の刺さりより良く出来なかったように思う。きっと焼き入れで硬く、一度針先が鈍ってしまうと、研いでもなかなか研ぎきれないんじゃ無いか、と思っている。

 

東日本大震災

あの津波は、海を恐怖させ、オイラを釣りから遠ざけた。仕事柄、震災復旧に携わって、報道以上の港町の惨状を直接目にしたことも大きい。そんな折、がまかつの創業者が確か亡くなったと記憶する。ああ、なんか時代が1つ終わりを迎えたのかなあ、などと感傷に浸った出来事。結局8年越しでまた釣りを再開したが、選んだのはやっぱりがまかつ。色々理屈をこねたが、理屈じゃ無いんだな、きっと。

夏の伊勢海老漁前のシーズン本当の最後のマハタ釣りに週末行く予定。いつか、オイラのお気に入りのがまかつ鈎をへし折る大物を掛けれたら良いな〜。